兄目線でアニメ
 
アニメに対する、視点、論点、あと,メイドさんとか、自作PCとか、鉄道とか酒とかな話。
 



2007年9月3日を表示

第七章『闖入者、眼鏡と生理用品の行方』③

「ほら、これがキミの性衝動さ、全くもって男子中学生なんかとは大違い、本当に体内でちゃんと精子作ってるのか心配になっちゃうな。」ふざけたような嘲笑の笑みを浮かべると、思った以上に鋭く見える彼女の犬歯が覗く。
「馬鹿にしないでくれ!」僕は思わぬ反撃によろめきながらも叫んだ。童貞も二十代中盤まで拗らせると、変な貞操観念が芽生えるもんなんだよ、別に性行為をしたいだけなら就職して経済的に困っているわけじゃないんだから、風俗に行けば済むことじゃないか、でも僕はあえてそれをしないのさ、処女に誇りがあるのなら、童貞だってここまで続ければ、立派な人間性を持ってくるはずさ。
「始めては、結婚相手か、本当に好きな人とじゃないと嫌ってか、ははは、童貞の癖して生意気な事ぬかすんじゃないよ!」
「止めてくれ、これ以上の侮辱はよしてくれよ本当にお願いだよ。」彼女の恐ろしい笑みは僕の懇願によってもまだ消えない、「さあ、他に何か言う事ある?あたしはキミの奴隷だからね、何でもしてやらなくはないんだよ、だって私たちにはもう立派な娘が居るわけじゃない、弟か妹を欲しがる年頃なのさ。」

「酔ってるんだよ、止した方が二人の為だよ、」
「二人の話しなんてしてないじゃないの、あたしは娘が兄弟なしじゃ可愛そうだっていってるんだ。」メイドさんは僕にくだを巻くようににじり寄る。何て困った酔っ払いだろう、さてどうしたものか。四面楚歌の中、僕は神の声を聞く、それは電話の呼び出し鈴だ。僕はこれ幸いと、すかさず席を立つと電話機を取った。



「もしもしぃ、おまえ今家に居るかい、駅で先輩にばったり会ってさ、皆で久しぶりに話でもって思って、もし良かったら、悪いんだけど、おまえん家よっていいかな?」それは僕の大学時代からの友人Kからの電話だった。情況が情況だし、最近お互いに忙しくあまり顔をあわせて居なかったので、僕はいいよ大歓迎だと二つ返事を返してなろべく早く来て欲しいと頼んだ。

彼等は、スナックやジャーキーなどのつまみを持参しやってきた。「お酒なら沢山有りますから、遠慮せずにどうぞ。」とメイドさんは笑う。僕もその笑みが元の彼女のものに戻っていたので胸をなでおろす。
「先輩は今どうしてるんです?」僕は大学時代の大先輩(僕が大学に入学した年には既に四年生で、卒業は僕と一緒にした、素晴らしい人だ。)に何気なく聞いた。
先輩はビールひと缶を一気に開けると、「特に変わらないさ、それより、お前にはメイドさんが居ていいな夜はもう凄いだろ。」と、ふざけ誤魔化したので、僕はまだ彼が定職についていない事を確信した。
 
「いえいえ、そうなんですよ毎日毎日本当に凄くて、もう妊娠しちゃいそうですよ。」あの凶悪な笑みは消えたものの、メイドさんもまだ酔っているらしい、「マジでか、そりゃひでえ話だ。」「お前、本当にそんなことしてるのか、犯罪だろ。」闖入者二人もまだ酒を飲み始めたばかりだというのに、中々危険なテンションだ。
「まあまあ、ご主人様は悪くないんですよ、男の方ですもの、仕方ありません。」そういいながら、彼女は先輩と友人Kのグラスに新しい酒をお酌して回り、彼等も本当に美味そうに、それを飲み干してゆく。
 「ははは、本当にいいメイドさんだよ、もったいないな、お前の独り占めなんて」さらに酔いが回ったのか先輩はメイドさんの腰を触りながら言った。腰を触るなんてまだ僕もしたことないこと、内心カットくるが、これも酔っ払いの戯言と高をくくっていると「もう、男の方は仕方ないんだから、お相手しましょうか?」メイドさんもまんざらでない様子。これはあまりにも危険だ、先輩には仕事も金も体重も無いが、端正な顔立ちだけはあるあれで女を泣かせた経験もあるのだ。

援護を頼もうと友人Kを見ると、彼もだいぶ酔っていて、もう寝てしまう一歩手前だ、強引に肩を揺すり起こすと、楽しそうにじゃれあう先輩とメイドさんを見て羨ましそうに近くに寄るが、何も手を出そうとはしない、昔からそうなんだ、奴は女の近くによっていっても、結局何もしない僕以上の晩生なのだ。
 おい、もう悪ふざけは止してくれ、これじゃ彼等が来る前より悪い状況じゃないか、いや嫉妬なんてしてないよ、でも、仮にも家族が酔った勢いで事にいたろうといているところをとめるのは普通のことだ、別にこそこそしなくたっていいじゃないか、「何か文句でもあるんですか、主人があなたみたいなEDだから、私の女の部分が満たされないんですよ、EDじゃなきゃ誰でも、あたしはかまいませんよ」「話が違いじゃないか、お前等夜は凄いんじゃなかったの?」先輩もメイドさんもひゃっひゃっ笑っている。「そんな話、どうだっていいじゃないですか、もう辞めてくださいよ、例え先輩だって我慢できない事だってあるんだ。」そんな僕らの今にも爆発しそうな情況の中、Kは何とか隙を見計らって、おどおどしながらメイドさんの二の腕を触っている。
「まあ、いいじゃないですか。」メイドさんは先輩とKの間の空間で腰をストリップショーの踊り子のように、捻り出した。闖入者達は笑ってそれを眺めている。何て酷い光景だろう、もうここは僕らの家ではなく風俗店になってまったのだろうか?僕はもうやけになりウイスキーをグラスに注ぎ一気に煽る。



9月3日(月)23:30 | トラックバック(0) | コメント(0) | 私小説 | 管理


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