兄目線でアニメ
 
アニメに対する、視点、論点、あと,メイドさんとか、自作PCとか、鉄道とか酒とかな話。
 



2007年9月27日を表示

第七章『人権問題、そして奴隷狩』⑧



僕は社員証を裏返し、夕方の休憩時間を使って近くの大学に潜り込む。うまくやれば偽造の学生証ぐらい手に入るはずだ。まずは購買部に入る、昼飯抜きで腹が空いたのでねじねじどーなつでも買おうと思ったのだ、しかし其処には何と偽造の学生証も売っているじゃないか、僕は早速それを買おうと店員に話しかけた。
店員は学生アルバイトで、無僕が代金を払う前に僕に、学生証と偽造学生証マニュアルと書かれたファイルを渡す。
しかし、実際に手に取るとそれが僕にはとても恐ろしい事に感じた。怖い怖い、僕はどーなつを買うのも忘れて走り出した。風紀委員の学生と教師が追ってくる。大丈夫直ぐに地下鉄の駅だ、僕は何の躊躇なく正門をくぐり駅に紛れ込む、地下鉄にしてはホームが多すぎる、ホームの無いところにも線路が通っている。そして電車はそんなホームのない線路に止まった。

ホームがないからといって乗らないわけには行かない、僕は追われているんだ、コンクリートのホームから飛び降りて、線路を何本かまたぎ、電車を目指す。
すると、僕を皮切りに何人もの人間が同じようにホームから飛び降り電車を目指す。僕はやっとの思いで電車にたどり着くけれど、電車はもう満員だ、でも乗らないわけには行かないのだ。
電車にしがみ付く大勢の人々を踏み台にして僕は電車の天井に乗っかる。まもなく電車が動き出す、乗れなかった大勢を残して、走り出すと、電車の窓が開いている。僕はなんとか其処から車内に侵入する。電車は扉付近だけ混んでいるようで、座席の方は驚くほど空いている。車内でおち着いて汗を拭いていると過激なまでの視線を感じる。恐る恐るその視線と時分の視線が交わらないように注意し様子を伺う、どうやら隣に立っている若い男が、偽造学生証のファイルを凝視しているようなのだ。

「あの、その学生証譲っていただけませんか?」と彼は言った。僕は風紀委員に追われる原因である偽造学生証をどうにか処分したいと思っていたので、これは丁度いいと彼にファイルと供に偽造学生証を喜んで渡すと「ありがとうございます」彼は受け取るやいなや、学生証を大切そうにしまうと鞄にしまうとファイルを開いて中の書類を読み始める。
いや、読んでなんかいない、読めるはずがないのだ、だってそのファイルに綴じられているのは偽造学生証の使用方法を示したマニュアルなどではなく、単なるポルノ写真なのだ、けれども男の眼球はまるで文章を読む時のように一定のリズムで上と下とを行ったりきたりしている。
『ああ、そうか、若いって言うのはこういうことなんだな』と僕はなんとなく感じると、そろそろ本気で恋でもしてみようかと、唐突にそして素直に思った。



9月27日(木)21:28 | トラックバック(0) | コメント(0) | 私小説 | 管理


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