兄目線でアニメ
 
アニメに対する、視点、論点、あと,メイドさんとか、自作PCとか、鉄道とか酒とかな話。
 



メイドとバナナ3

朝になって、ホテルを出て簡単に近くの牛丼屋で朝飯を食べて、ホテルを後にする。生き物が浴衣もままではこまるので、道すがらの量販店に車を止めた。
婦人服売り場の片隅にはこの生き物用の服が並べられている。昔はこんなコーナーは無かったが、こういう生き物が増えてきたので、何処の店にもある程度はこういったコーナーが作られている。
「この子に会うような下着とエプロンドレスを見繕ってくれませんか?」店員に頼むと、「服のサイズとか解りますか?」と生き物に尋ねた。当然言葉がわからないので答える事が出来ないので「この子失語症なんです、前の家で酷い目に会ったらしくて・・・」「じゃあ、軽くサイズを測らせてもらいますね。」店員は何を言ったらいいのか解らないのだろう、極めてビジネスライクに作業を行い始めたので、こちらとしても気を使わないで済んで気が楽だ。
30分もしないうちに、名も無き生き物は「メイドさん」という存在にはや変わりした。服の代金を支払い僕らは家路につくことにする。

家に帰ると先ずはこの光景に母親が驚いて、「前からそういうのが欲しいって言ってたけれど、連れてくるなら事前に相談してよ。」
「旅行先で偶然発展して、懐かれてしまったんだ。」
「そんなこといったって、どうするのよ。」
「まずはロフトにでも置いておけばいいんじゃないかな?」
「名前は?」
「名前は無いんだ。」
「おかしいんじゃないの?」
「これからの教育次第だよ。」
「私は、やだよ教育なんて!子供二人を育てるのだってこんなに大変だったのに、自分の子供でもない生き物をわざわざ・・・」
「母さんが、なかなか嫁を連れてこないから、僕もこういう強行をしてしまうんじゃないかな?」
「そんなこといったって、」
「とりあえず、食費は二人分入れるから。上手く仕込めば全部家事を押し付けられて
母さん的にも悪くない話なんじゃないかな?」
「でも、だからって、」
「じゃあ、出てゆこうか?」
「急にあんたに出て行かれるのも淋しいわよ。」
「でも、拾った生き物を、もう一度捨ててしまうと動物愛語法に抵触する恐れがあるから、この家にこの生き物を家に置くか、僕がこの家を出てこの生き物を飼うか、どっちかにしないといけないんだな。」
「お父さんとかにも聞かないと・・・」父は出張中なので直ぐには帰ってこない、妹はあまり生き物に興味が無いので、特に自分に不利な事が無ければいいという。まあ、暫定的には飼ってもいいことにこんなわけでなったわけだ。


一週間もすると、教育の成果が出てきて、片言なら話せるようになってきた。言語は書くまでになるのは時間がかかるが、その環境に放り込まれれば意外と早く話すぐらいは出来るようになるらしい。「なかなか、利発なメイドさんじゃない。」母はメイドさんの教育に僕以上に熱心になってしまい、小学生用の国語の教材まで買ってきてしまう始末だ。
「家事もある程度出来るようになったのよ。」洗濯や、掃除程度ならもう完璧だという、料理は刃物や火を使うのでもう少し慣れてから教えるという。
僕も休みの日はできるだけメイドさんと一緒に居るようにした。言葉や数を教えたり、バナナをあげて餌付けしたりして遊んだ。



5月1日(金)10:49 | トラックバック(0) | コメント(0) | 小説・文芸 | 管理

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