兄目線でアニメ
 
アニメに対する、視点、論点、あと,メイドさんとか、自作PCとか、鉄道とか酒とかな話。
 



メイドとバナナ2

 両親には旅行だと言ってある。実家暮らしではあるが、学生時代は一人暮らしをしていたし、男であるから外泊をしても特に何も言われないのが便利なところだが、これからはそうはいかなくなるだろう。こういう生き物を拾ってしまったのだこういう生き物は嫉妬深く主人の外泊を早々に許すという事は考えにくい。
 ビジネスホテルには後で連れが来るという事で、ダブルの部屋を予め借りてあったため特に酷く怪しまれるという事は無かったが、生き物が裸ではないにしろ、泥まみれで色あせたTシャツしか着ていなかったことには少し面食らった様子で「失礼ですが、お連れ様は・・・」と言葉に困っていたので「途中で沼に落ちたらしいんだ、そのときに持ち物もズボンもそこに落としてしまったらしくて」と誤魔化すと、古いものなんでと女性用の小柄な浴衣を無償でくれるという、これで着替えを揃えるまでの仮の服は間に合うので助かった、世の中もまだ捨てたものじゃないなと少し感心してしまう。
 「ああっ、」女性の声がした。どうやらこの生き物の声らしい。一応発音器官には問題は無いという事だろう。ロビーを出てエレベーターに乗ったので「言葉は解るの?」と聴いてみる。生き物は少し困った表情で僕を見たので案の定、よく解らないらしい。
 しかしだ、人間は言葉で考える生き物であるのに、言葉を持たないこの存在はどのように物を理解しているのだろうか?まあ、人間ではないのだから、そういう面倒なプロセスは要らないのかもしれない。
部屋に着いたので汚いTシャツは脱がせて体を洗ってやらなければならない。服を脱がせようとしたが嫌がるので、どうやら羞恥心というものはあるらしい。困ったので、こちらが先に脱いで先導してやるとしぶしぶ風呂場に入る。こういうことを想定していたので、予め風呂とトイレが別の部屋にしておいて正解だった。無理やり脱がせるのは気が引けたので、そのままシャワーでお湯をかけてやると、服が張り付いて気持ちが悪かったのか自らTシャツを脱ぎ捨てた。
可愛らしい生き物の体に興奮を覚えたので、軽く抱きつくと拒否反応を見せないので一安心する。湯船に湯を張る間に体を洗ってやる事にする。生き物はお湯を掛けられると気分よさそうにするので、時々シャワーを当ててやりながら先ずは腕から洗ってやる。爪の間に泥が挟まっていたので、指一本一本丁寧に洗わなければならない。腕に続いて背中を流す、定期的に水浴びをしていたのか垢が溜まっている感じは無い。強くこすると壊れそうなので、優しくしてやる。胸は流石に気が引けたが、触りたかったので洗ってやろうとすると、生き物が僕の手からタオルを取って自分で洗い始めた。僕が洗うところを見て絵居たので、自分でできるという事なのだろう、お楽しみだった部分は生き物が自分で綺麗にしてしまったため、僕は自分の体をしぶしぶ洗う。所々で、これが「風呂」だとか、この泡が出るのが「石鹸」だとか、話しかけて少しでも言葉を覚えさせるように努力する。生き物は解っているのかわかっていないのか、時々笑顔をみせて頷いた。最後に髪だけ洗ってやって終わる頃には風呂が沸いていた。生き物を湯船につけて僕も湯船に入る。また抱きしめたくなったので後ろから抱きつこうとすると、少し体をよじって湯船を出てしまう。ガッカリしたがこんなものだろう。風呂を出て、タオルで体を拭いてやり浴衣を着せ、ドライヤーで髪を乾かしてやった。お腹が空いたが、ホテルには食堂が無いため旅の途中で買った菓子パンを二人で半分づつ食べた。餌として買っておいたバナナの残りに生き物が興味を示したため、僕はそれを口に含んで軽く口を開けると、生き物は僕の口に口を重ねてその中のものを舌で重ねて吸収していった。楽しくなったので、それを何回か行った。

朝から生き物を探しに森の中をうろついていたから少々疲労が溜まった。二人用の部屋なのでベットは二つあったが、せっかく手に入れた貴重な生き物を肌に放さず持っておきたいという気があったので、一度生き物をベットに横にさせてから、僕は隣に寄り添い横になる。抱きついたりすると先ほどのように逃げられるかもしれないから、最初は様子見で体が触れ合うぐらいで我慢する。少し経つと寝息が聞こえたのでそっと色々なところを触ってみる。特に反応が無いので抱きしめてみると目を覚ましてしまったが、空ろな表情で特に嫌がる様子も無いのでそのまま行動をエスカレートさせていく。
生き物の胸は柔らかく、心地よいさわりごこちだ。つい欲を張って浴衣の帯を解くと流石に嫌がって、布団を出てしまった。残念だが今日はこの辺にしておこう。
僕は生き物の頭を撫でてなだめてやり、また寝かしつける。今度は生き物の寝ていない方のベットに潜り込んで僕も休息をとることにした、明日からもっと忙しくなるのは目に見えていた。



4月12日(日)22:08 | トラックバック(0) | コメント(0) | 小説・文芸 | 管理

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