兄目線でアニメ
 
アニメに対する、視点、論点、あと,メイドさんとか、自作PCとか、鉄道とか酒とかな話。
 



魔女狩り1

中世の話だけれど、あの頃は魔女狩りってのがあった。そういうのは今でこそ、単なる女性の虐殺だって言われて、本当は魔女なんて居ないなんて言われるけれど、あの頃の人にとっては、あれは本当に魔女だったんだと思う。

 彼女たちが魔女だと勘違いされた原因は色々あるらしい。例えば地球の形が変わってしまった事件。あの頃はまだ僕も学生だった。

 
 「何十日も海を船で渡ると、そこには外輪山ってのがあるんだよ。」Kはそう言った。それはまだ世界が球体じゃなく平面で、太陽が地球の周りを回っていたような季節。そんな季節に僕らは浦安の海浜公園に行くために新木場から京葉線に乗り込んだ。

 車内から覗く夏の海の表面は、偽物みたいにギラギラの太陽に照らされているせいか砕けたガラスみたいに乱反射を繰り返している。「いや、本当に砕け始めてるんだ。」友人のSは、噛みすぎて味のなくなったガムをウンザリしながら噛み続けているといった調子で言った。
 確かに砕け始めてる。ニュースでは言ってないけれど、それは本当に起こっていることなのだ。そしてだからこそ、僕らは海に向けて移動している。

臨海公園の最寄の駅で降りた時には太陽も丁度頭の上にまで来ていたから、ガード下の蕎麦屋で昼を取ることにした。涼しい店内で冷えたざる蕎麦を食べ、熱気に満ちた屋外に繰り出すと、温度差のせいか何時にもまして疲労が溜まるような気がする。

僕らの目的地は公園の敷地の最も南端に位置する人工の砂浜だ。駅からは五百メートル以上あるから結構遠く感じる。中ほどまで進むと道は二股に分かれ、片方は大観覧車に続いている。あれは世界的にも一、二を争うほどの規模のものらしいから、冬の天気のよい日なら、もしかしたら世界の果てというやつを拝めるかもしれない。

しかし、僕らの目的地はそこではない、僕らがもう片方の道に入りしばらくすると、間も無く海が見えてくる。「あそこから本当に外輪山なんか見えるのかねぇ。」Kは暑さでひいひい言いながら、ぼやいている。僕は外輪山が見たいなら観覧車に乗った方が懸命なのではと提案しようかと思ったが、どの道空気の澄んでいない、こんな灼熱の季節に水平線の向こうまで見渡そうなんて無茶な話なのだ。

そうだ、出来ないって解ってるんだ。でも僕らは来てしまった。来ないわけにはいかなかった。それもきっとこの季節のせいに違いないのだ。

目の前に広がる東京湾の向こう側には予想通り、地図上から確認できる埋立地やら橋やら半島しか見つけることは出来ない。でも、そのもっともっと向こうには外輪山、つまり世界の果てを囲んでいる山脈があるとKはいうのだ。
 
仮にそれが真実として、その世界の果ての境界をなす外輪山には一体何があるというのだろうか。友人の二人には黙っているが、僕の考察では、その山間部には多くのメイドさんが暮らしているはずなのだ。



12月26日(水)14:46 | トラックバック(0) | コメント(0) | メイドさん | 管理

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