兄目線でアニメ
 
アニメに対する、視点、論点、あと,メイドさんとか、自作PCとか、鉄道とか酒とかな話。
 



第四章、『動物実験』①

 丁度、章も変わったところだから、登場人物説明の補足でもしておこう。読んでいる皆さんにはもうお分かりだと思うのだけれど、この作品の副主人公といえる「メイドさん」こそ、人形作り手伝っていた彼女の事だ。
 
人形作りを終えたとはいえ、僕の経済状態は切迫したままだ、仕送りの日まで僕は彼女に頼るしかなかったし、彼女もあまり性格の合わない(といっても彼女の姉はそうは思ってはいないらしい、彼女は責任感が強めなので姉のような思い切りのいい性格の人間とは暮らせないのだ)姉との生活から逃れるために僕の下宿先に入り浸るようになった。
そしてそういう生ぬるい生活サイクルは仕送りの日が来ても変わることなく、僕らは季節が変わることには不動産屋を訪ね回り、僕と彼女、そして人形の娘、家族三人には、おわつらえ向きな3LDKの激安マンションを見つけ出すことに成功する。

 そこに引越し終わる頃には、少し前から始めたアルバイトと大学の講義、そして就職活動で僕の予定はパンク状態になり、家事の多くは彼女の仕事になってしまった。
けれども彼女はあまり文句も言わないでメイド服を着込み自分自身に酔っているかのように、大学の傍らメイド家業に専念する。そういったサポートのお陰だろう、僕はパンク寸前の予定を何とかこなして、無事大学を卒業し、僕らが二人で始めて酒を買った酒屋に就職したのだ。

 ここまで見る分には、この私小説、出会い自体は奇妙ではあるが結局、僕(主人公)は都合のいい家政婦を手に入れ、彼女(メイドさん)は自分の居場所を確保し、娘(人形)は無事にこの世に生を受け、自分の部屋まで用意されるという、全員にとって大団円な話なのだけれど、悲しい事にこの物語はこんなところでは終わらない。
 だからといって、これから宇宙に出るわけでも、宇宙人と戦うわけでもない、そんな単純な話ではないのだ。

まあ、それはひとまず置いといて、読者の皆さんの中には、それ以前の話として、人形作りを手伝ってくれた彼女が、どうして単なる恋人や同居人ではなくメイドさんに成ったかということについて、疑問をもたれる方もいらっしゃるはずだから、それについてのエピソードをここで書いておいても悪くは無いかもしれないね。



8月9日(木)10:23 | トラックバック(0) | コメント(0) | 私小説 | 管理

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