兄目線でアニメ
 
アニメに対する、視点、論点、あと,メイドさんとか、自作PCとか、鉄道とか酒とかな話。
 



第四章、『動物実験』⑥



 その日、僕はデパートと図書館、ホームセンターが一つになったような建物の中で、人々が戦っている所を目撃する。彼等は派手なコスチュームを着込んで、剣や魔法で戦っているのだ。これは愉快だなと思って僕も戦いに参加する事にした。
しばらく戦っていると、僕にも仲間ができて、次第に隊は大規模なものになっていった。時々戦いで仲間の腕とか足、頭がちぎれたり吹き飛んだりするけれど、魔法さえ使えば、元のようにくっ付いたり、生えてきたりするので問題は無い。そう、問題はないはずだったのだ。そして油断してしまった。僕は敵の攻撃をモロに食らってしまったのだ、事もあろうに股間に!
皆さんはご存知だろうか?夢の中では、手も足も頭も千切れても繋ぎなおしたり再生したりすることが出来るけれど、ペニスだけは切れたら元のようにくっ付いてくれないのだ。
 僕は絶望してしまった。中間達も僕に同情して、隊の中でもいいポストを与えてくれたけれど、権力への欲なんぞ、性欲に比べれば塵みたいなもんだ。そんなの何の慰めにもならない。
 男であることに今まで色々悩まされる事があったにしても、こんな形で男をやめるとは・・・いや、去勢したわけではないから、事態はもっと深刻だ。
 ペニスがない以上、自分の意思で射精できなくなったということはこれからはずっと夢精しか出来ないのかと思うと去勢した方がまだマシ、それよりも死んだ方がましとまで思ってしまったね。

 ここまで聞いて彼女突然笑い出す「ペニスがなくても、前立腺マッサージすれば、射精できるそうだよ。」とけけけけと笑い声が狭い部屋にこだまする。まあ、どっちっでもいいのだ、所詮は夢の中の話なのだから、彼女が機嫌を直してくれただけでもよかったとしよう。
「でも、」彼女は急に真面目な顔で「私はさっきの持論を曲げる気は無いね。」と言った。別にそう宣言するだけならいいのだけれど、実践が大切なのだと彼女は言うのだ、「さあ、ちょっと外出しようか!」その掛け声で僕らは外出の準備を始めた、恥ずかしいから着替えればといってみたが、彼女はメイド服のまま外に出ると聞かない。
「だってあたしもう人間やめてメイドに成ったんだから。そこんとこちゃんと君も認識するように、君はメイドの主人なのだから、メイドと供に行動しなきゃだめだからね。」彼女の我を通すいい言い訳を与えてしまったなと我ながら反省する。けれどもだ、僕としては、多少恥ずかしくてもメイドさんと歩くのも昔からの夢だったからいいかとか思って、彼女の後に付いていった。



8月14日(火)08:55 | トラックバック(0) | コメント(0) | 私小説 | 管理

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