兄目線でアニメ
 
アニメに対する、視点、論点、あと,メイドさんとか、自作PCとか、鉄道とか酒とかな話。
 



そして僕らは手を繋ぐより他無かった。

問題は、簡単だった。メイドさんは、女である事に縛られて、僕は男であることに縛られていた。

「何いってるの、私はそんなこと」そういう所が、女であることに縛られているんだよ。

時々メイドさんは、つまらない相談をする。本当につまらない相談だ。相談にもならないその相談で、彼女が僕に求めているのは、答えや意見ではなくてじゃなくて、もちろん相槌でもない。

只、単にメイドさんは、僕に同情してほしいだけ、僕の意見や気持ち、ひいては人格なんて彼女にはどうでもいいことなのだ・・・いや、むしろ彼女は僕の性格を知っている上で、それを押し殺す事を要求しているのだ。

女性は男ほど、もともと孤独ではないから、我々ほど孤独に慣れていないのだ。

理屈は解る。でも、納得できるはずは無い、僕は女で無いから、だから言い換えれば、ぼくは女でない事に縛られているのかもしれない。

でも、それはメイドさんも同じ、彼女は男で無い事に縛られているんだ。そして、縛られている者同士はどうしても自分の窮屈さを他人のせいにしてしまうのだ。

そういう時に僕はふと、二人とも、子供なら良かったと思うことがある。

子供は女でも男でもない、中性名詞だ。彼等は縛られずに自由だから、僕らのような面倒は起こさないし、その逆に、僕らが思いもしないような残酷な事だって出来てしまう。

メイドさんは、今日も泣いたりしなかった。そういうところは、女か男かなんて関係なくて、個人の問題なのだろう。

メイドさんは、冷蔵庫からビールを出した、僕らはそれを二人で飲んだ。二人で飲むと、一人分量が減って物足りないから、もう一本、そして続けて何本も飲んだ、

気分が良くなった僕らは、缶ビールをクーラーボックスに詰め込んで、夕日色の河川敷を眺めに行った。

日は直ぐに沈んで、ビールも直ぐ無くなった。ふらつく僕らは、一人で家に帰れそうも無い、だから手を繋いで、お互いに家まで相手を送ってやるしか他無かったのだ。



5月2日(水)23:07 | トラックバック(0) | コメント(0) | シュールレアリズム | 管理

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