兄目線でアニメ
 
アニメに対する、視点、論点、あと,メイドさんとか、自作PCとか、鉄道とか酒とかな話。
 



ベージュのキャンパス黒い模様。

メイドさんに髪を切ってもらう。プロではないから手際も悪ければ、出来上がりも大した事は無い。

僕は髪を切るのが嫌いだ。髪を切っている最中ずっと動けず暇だから。床屋で切るときは、プロの技に見とれるし、スーピードお早いから、そこまで退屈はしないけど、僕はこういう人間だから、床屋の主人と髪を切っている最中、おしゃべりをしなきゃいけないのが苦痛なのだ。

だから結局、僕は髪を切るのを好きになれない。

メイドさんが以外に上手に鋏を使う。メイドさんは自分の髪もある程度自分で切っている。メイドさんも美容院が苦手らしい。

散髪しているあいだ、僕らは子供の頃の「床屋さんごっこ」の最中みたいにつまらない話をする。

例えば「呪いの人形、そうそう、髪が伸びる奴。怖いかもしれないけど、美容師のタマゴの人たちにはいいかも、ほら、あれがあれば練習台に困らないと思う。」とか。

髪を一通り切りそろえると、メイドさんは鏡を持ってきて僕に僕の顔を見せてくれる。そして僕は何時も「これでいいよ。」と一言だけ言った。

僕には、どういう髪型が今の流行なのかとか、どういう髪型が僕に似合うのかなど、そういうことが丸っきし解らないから、そう言うしかないのだ。

メイドさんは、洗面所に行って両手一杯に泡を作ってきた。ふわふわの泡、「今にもさっきまで話してた事忘れそう。」

何の話だったっけ?メイドさんは、僕の顔に泡を塗りたくり始める。これじゃどっち道、話せないから答えなくてもいいってことかな?

メイドさんは、自分の剃刀で僕の顔を剃り始めた。僕らはお互いに自分たちが病を持っていないと知っていたから、特に問題は無いと思う。見る見るうちに泡は髭や産毛の残骸と一緒に大きなタオルに落ちてゆく。

首筋の毛を剃られる時は少し緊張する。これは男と女の間の緊張感に似ているのかも、相手が信じられないと、何時食い千切ぎられるか、わかったもんじゃない。だからプロのレイピスト(そんなものがプロと呼べるかは解らないけど)は、犯す対象に口は使わせないらしい。

剃刀の作業は終了した。これで散髪もひとまず終わり。後はシャンプーするならして、しないなら床に敷いた新聞紙の上で髪を払うだけ。

「どうします?」メイドさんはそういいながら、自分の前髪を切り始める。君も散髪終わったら、一緒にシャワー浴びない?

「まさか。」今日は少し暑くて、メイドさんの額には汗で、切ったばかりの髪屑が張り付いて、新しいアートの模様を僕に示してくれていた。



5月5日(土)17:56 | トラックバック(0) | コメント(0) | シュールレアリズム | 管理

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