兄目線でアニメ
 
アニメに対する、視点、論点、あと,メイドさんとか、自作PCとか、鉄道とか酒とかな話。
 



新しい物語の立案5

久しぶりに、「メイドはお嬢様(ボク)に恋をする」の続きです。

「どうしたんだい、お譲ちゃん。」彼はS男(女装少年)にそう声をかけた。「もう日が暮れてしまうよ、女の子が一人街中に居るのは危険だよ。もう、お家に帰りなさい。」彼は親切そうにそういった。

S男は戸惑った、ここで適当にあしらってやり過ごす事も出来るが、確かにこのまま夜の街を歩くのは危険だし、ここで彼をやり過ごしたとしても、そのうち夜警の警官に見つかって補導されるのがオチだ。だからS男は親切そうな彼に頼ってみる事にした。今、S男が頼れるのは、この名前も知らない親切そうな年上の男性だけなのだ。

「あの、私。家出中で帰るところが無くて・・・」S男はいかにも、しおらしい感じに彼に言った。彼は少し戸惑ったように考え込んだが、すぐに何か思いついたのか顔を上げて「それじゃあ、ウチに来るといい、落ち着いたら、お家には私から電話してあげるから、ご両親に来てもらって、間に立ってあげるから、ちゃんと話し合うんだよ。」

メイドさんは、困り果てていた。主人が立ち去ってから、しばらくはずっと妄想に耽っていたが、主人が日が暮れても帰ってこない事に気づくと心配で、いても立ってもいられない。

探しに行こうか、それとも家出で帰りや連絡を待って待機していようか、メイドさんは迷った。あんまりにも困り果てたので、あの忌々しい敗北者のA子に留守番をしてもらおうかとも思ったけれど、S男の部屋でみすぼらしく泣き伏していたA子、はいつの間にか居なくなっていた。

仕方なくメイドさんは、家で待機する事にした。主人様は一応外見女の子だけれども、中身は男なのだから、そこまで大変なことになることもないだろうと考えたのだ。

自分は知らない人に付いていっている、S男は学校で禁止されている事を今している。大丈夫、親切そうな人だし、助けを求めたのはこちらからだ。しかも彼は自分の事を女の子と思って油断しているだろうから、いざとなれば逃げる事だって出来る。S男はそう高をくくっていた。坊ちゃん育ちのS男は街の危険さを良く知らなかった、それが自分とメイドさん運命を狂わすきっかけに成る。

「ついたよ、」彼はそう言った。考えに耽っていたS男は顔を上げた、そこは彼の家には見えなかった、いや、一般的に言う住居ではない。これは人が逢引の場所として泊まる所!S男は用心を怠った訳ではなかった、しかし余りにも唐突で運の悪い展開に、戸惑いを隠せない。

「さあ、行こうか。」彼はせかす。手はしっかりと握られてしまい逃げられない。「あの、私は、ボクは本当は、男なんですよ。」S男はそう言えば彼が諦めると思った。しかし彼はもうそんな嘘信じないよ、みたいな事を言って、手を引き続ける。S男は怖かった、これからの事が、怖くてもう声が出せない、そして後悔したあのまま家に帰っていたら、今更後悔しても遅いのに、S男は後悔し続けた。

そうこうしているうちに、S男は極彩色の部屋のベットに投げ出された、次の瞬間、彼はS男の体に覆いかぶさって、服をはがし始める。そして、まもなくして真実を知った彼の体から力が抜けていった。

S男はそれをチャンスと思い、渾身の力で彼の体を突き飛ばす、そして彼がひるんでいる隙に、部屋の電話機からすばやく自分の家へと電話する。プルルルル、速く出て速く出て、S男は祈るように電話のベルを数える。「はい、〇〇ですが・・・」メイドさんの声だ!

しかし、その次の瞬間、受話器は彼の手の内に有った。「けっ、こうなりゃ自棄だ、お前を人質んに身代金でももらってやるよ!」そう叫んで、彼は受話器の向こうに意識を向けた。



2月8日(木)15:40 | トラックバック(0) | コメント(0) | 小説・文芸 | 管理

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