兄目線でアニメ
 
アニメに対する、視点、論点、あと,メイドさんとか、自作PCとか、鉄道とか酒とかな話。
 



さよならメイド先生、最終回

『朝の風景』

「メイドさん、それはバナナという果物だよ。」

「えっ、気付きませんでした。」



最近、眠くて仕方ありません、萌兄です。ご機嫌よろしゅー。

ついにブログ小説、最終巻です。


『最終話、さよならメイド先生。』

朝焼けに向かって、僕達は走っている。普通は夕焼けに向かって走るのに、僕たちときたら元気に朝焼けに向かって走っている。
何故、普通は夕焼けに向かって走るのだろうか?そんなことは簡単、だって夕焼けに向かってなら、走っても、その後はせいぜい、飯でも食って風呂は言って寝るだけだからだ。
でも、僕らは、朝焼けに向かって走っている。この後、朝飯食って、歯磨いて、学校に行って、授業受けて、昼飯食って、昼寝して、部活に出て、おやつをつまんで、やることでいっぱいだ。もう疲れきっている僕等にそれができるのか?
「メイド先生、辞めないでください。」
後ろを走っている生徒の一人が唐突に叫んだ。それを皮切りに、生徒たちは、自らの想いを語り始める。
「メイド先生は、僕達に人を愛することの喜びを教えてくれました!」
「メイド先生は、私達に努力することの素晴らしさを教えてくれました。」
「メイド先生は、こんな俺にも、いいところがきっとあるって言ってくれた!」
「メイド先生は、自殺しようとしてた私に、命の尊さを教えてくれた。」
「メイド先生は、やり遂げることの大切さを教えてくれた。」
「メイド先生は、モダンポップなサウンドを俺に教えてくれた。」
「メイド先生は、メイド先生は、私がお弁当を忘れた時、おかずを分けてくれた。」
「メイド先生は、私に女の幸せとは何か、伝授してくれた。」
「メイド先生は、僕に、合体変形の仕方を教えてくれた。」
「メイド先生は、鶏肉が好きならしいですよ。」
そして最後に全員で、
「だから、メイド先生、辞めないでください!」
そんなふうに、皆、勝手なことを言う。僕は無性に腹が立った。だって、メイド先生は、もう僕のメイドなのだから、メイド先生をどうするかは、生徒達が決めるのではなく、僕が決めるべきなのだ。
「メイド先生、僕は君の主人だ、君は、僕のメイドだ、僕の奴隷だ!だから、僕のメイドとして暮らすんだ、それ以外は許さない。」
「ご主人様・・・」
朝日に向かって走っていたメイド先生の足が止まった。
「そうですぅ、危うく、情に流されてしまうところだったですぅ。私はもう、先生ではないのです。ご主人様のメイドですぅ!」
メイド先生は宣言した。白く昇ってゆく朝日をバックに堂々と宣言した。生徒達はその宣言が耳に入ると、まるで操り人形の糸が切れたかのように、立ち止まりうな垂れた。

そう、メイド先生のメイド宣言を持って、戦争は終結したのだ。

そして、僕とメイド先生は学園を去った。今なら解かる。メイド先生がこの高校に赴任してきた理由が、そう、メイド先生が来る前もきっと他のメイド先生が、このクラスの受け持ちだったのだろう。生徒とできてしまって、学園を去ったと聞いたが、きっと、今の僕等と同じようなシュチュレーションだったのだろう。
そう、メイド先生達は、メイドに成るためこの学園に来るのだ。子供が大人に成るために学校に来るように。そして、僕が主人に成ったように・・・

                             完



9月27日(水)20:26 | トラックバック(0) | コメント(0) | 小説・文芸 | 管理

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