こんな妄想。 |
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| 例えば、家にメイドさんが居るシュチュエーション。 ある日、朝目覚めるとメイドさんは、当然の如くもう目覚めていて、朝食を作りながら、片目でテレビの、今日降るであろう流星群のニュースを寂しそうに眺めている。 その夜は丁度日曜日だったから、僕は夜遅くまで深夜アニメを観ていた。メイドさんも何時もは観ずに寝てしまうというのに、その日は何故か、起きたまま、僕の後ろで同じ番組を眺めている。 僕は正直困っていた。どう考えても、その深夜アニメは女性と一緒に観ていて居心地がいいような内容じゃなかったからだ。 だから、苦し紛れに、メイドさんを外に連れ出した。メイドさんは、さっきアニメを観ていたときと同じように僕の後ろの位置で待機し、今度は画面ではなく暗く深い夜空を眺めている。 ニュースの内容が正しければ、そろそろ、星達が降り始めるはずだ。 そして、間もなく星達は急に次々に力尽き、落ちてゆく。その光景は、アニメばかり観ているこの目には、眩し過ぎる位に綺麗なものだったから、メイドさんもきっと大喜びだろうと思って、僕は後ろに振り向いた。 しかし、メイドさんの表情は予想に反して星達のように明るいものとは言えず、むしろ今にも泣き出しそうなほどだった。 「何で、そんな顔してるんだい?こんなに流れ星がきれいだっていうのに。」 「だって、ひどいじゃありませんか、流れ星が流れきる前に、願い事を三回も祈るなんて、時間が短すぎて、どうしたって無理ですよ。」 そう、時間が短すぎたのだ。だから、僕らの願いは何時までたっても叶わないのだ。
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8月9日(水)11:50 | トラックバック(0) | コメント(1) | 漫画、イラスト | 管理
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