理由 |
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| 今日はビールも飲まなかった事だし、子供の頃の話でもしていいだろうか?
「長いのやだな。」
まあ、少しだけだから・・・僕は子供の時から、時々嫌な不安に苛まれていたんだ。
なんと言えばいいか、良くわからないけど、急に怖くなる時があるんだ、自分が死んだら何処に行くのか、それ以前にアミノ酸とカルシウムで作られた自分にどうしてこういうよく解らない心みたいなものがあるのかとか、そういうことを考えている今の意識自体、単なる悪夢みたいなもので、本当には存在していないんじゃないかとか、そういうことを考えると、よく言う暗い底の無い穴を落下し続けているような気になってしまって、怖くて怖くて、気持ち悪くなっちゃって・・・大学で哲学をやったのもそういうのが関係しているんだと思う。
「はい、ビールのむ?」
ありがとう、よく冷えてるね、そうそう、僕みたいな人間は忘れやすいから、こうやって酒を飲めば、そういう陰鬱なものは吹き飛んでしまうんだ、きっとそうできない人たちは、哲学をやり続けていられるんだと思う・・・
「何、ニヒリストぶってるの、」とメイドさん、僕はそんなつもりじゃないと言いかけたけれど、その前にビールの二杯目を飲まずには居られない。
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5月1日(火)22:47 | トラックバック(0) | コメント(0) | シュールレアリズム | 管理
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