シュールレアリズム ~説明~ |
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| 抽象的な冒険、日本ではダダイズムとは切り離されて考えられることが多い。
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休日の風景 |
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| お昼は、メイドさんと焼肉を食べに行く。ビールとサワーのタダ券のある焼肉屋に。昼間から飲むのは僕らにとっては結構普通の事だ。
僕は飲酒運転をした事が発覚したら、大変なことになる職業だから、僕らは其処に歩いていく。徒歩で十五分位だろうか。
連休も最終日、店内に客は疎らだ。その殆どが子供ずれの夫婦だ。僕らは、豚バラの五百円のランチ二人前と鶏肉のプレートと、そしてビールとサワーのタダ券で、アルコール飲料を四本頼んだ。
周りの家族は子供を囲んで、楽しそうに焼肉を焼いている。そんな中、二人きりの僕らはまるで出来損ないの大人みたいだ。
お待たせしました。と店員が、ビールとサワーを各二本運んできた。僕らは直ぐにビールに口をつける。
昔見た、ドラマの台詞だけど、一緒に焼肉を食べに行くカップルってもう一線を越えてるらしいよ。
「私たちはカップルじゃないし。」最もな話だ。隣に座った家族の女の子が、こちらに振り向いてニコニコ笑って手を振った。
三歳児くらいだから、何があっても楽しいのだろう。「子供好きなの?」
好きさ、産んでくれる?
「何が?」
さあ?
僕は一昨年、急性腸炎で倒れて救急車で運ばれた事がある。言葉にならないほどの下腹部の痛み。きっと、出産はこんなもんじゃない!
そうか、男が子供を埋めない理由が始めて解った。男は出産の痛みに耐えられるように出来ては居ないのだ。
そして、その痛みを知らないから、大好きな女性に自分の子供を産ませるようなマネが出来るのだ。
そう、加害者という認識の無い加害者は、加害者にもなり得ないのだ。
でも、全ての母親が被害者だとすれば・・・どっちにしろ、妊娠中は酒が飲めないからそれは不便だ。
サワーを舐めていると、残りの注文の品も程なくテーブルに運ばれる。メイドさんは上手に鶏肉と豚バラを網に乗せて、僕らはそれを眺めながら、スープを啜る。
肉と米とキムチとビールの配分を考えながら僕らはそれらを胃に流し込む。僕らは常連だからこういうのは慣れている、会計まで一括りで、もうプログラム化されているのだ。
徒歩の帰り道は丁度いい酔い覚ましになる。僕はあまり酔っていないから、メイドさんに何も話しかけたり出来なかった。メイドさんもあまり酔っていないから、僕に話しかけてきてくれない。
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5月6日(日)14:08 | トラックバック(0) | コメント(0) | シュールレアリズム | 管理
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ベージュのキャンパス黒い模様。 |
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| メイドさんに髪を切ってもらう。プロではないから手際も悪ければ、出来上がりも大した事は無い。
僕は髪を切るのが嫌いだ。髪を切っている最中ずっと動けず暇だから。床屋で切るときは、プロの技に見とれるし、スーピードお早いから、そこまで退屈はしないけど、僕はこういう人間だから、床屋の主人と髪を切っている最中、おしゃべりをしなきゃいけないのが苦痛なのだ。
だから結局、僕は髪を切るのを好きになれない。
メイドさんが以外に上手に鋏を使う。メイドさんは自分の髪もある程度自分で切っている。メイドさんも美容院が苦手らしい。
散髪しているあいだ、僕らは子供の頃の「床屋さんごっこ」の最中みたいにつまらない話をする。
例えば「呪いの人形、そうそう、髪が伸びる奴。怖いかもしれないけど、美容師のタマゴの人たちにはいいかも、ほら、あれがあれば練習台に困らないと思う。」とか。
髪を一通り切りそろえると、メイドさんは鏡を持ってきて僕に僕の顔を見せてくれる。そして僕は何時も「これでいいよ。」と一言だけ言った。
僕には、どういう髪型が今の流行なのかとか、どういう髪型が僕に似合うのかなど、そういうことが丸っきし解らないから、そう言うしかないのだ。
メイドさんは、洗面所に行って両手一杯に泡を作ってきた。ふわふわの泡、「今にもさっきまで話してた事忘れそう。」
何の話だったっけ?メイドさんは、僕の顔に泡を塗りたくり始める。これじゃどっち道、話せないから答えなくてもいいってことかな?
メイドさんは、自分の剃刀で僕の顔を剃り始めた。僕らはお互いに自分たちが病を持っていないと知っていたから、特に問題は無いと思う。見る見るうちに泡は髭や産毛の残骸と一緒に大きなタオルに落ちてゆく。
首筋の毛を剃られる時は少し緊張する。これは男と女の間の緊張感に似ているのかも、相手が信じられないと、何時食い千切ぎられるか、わかったもんじゃない。だからプロのレイピスト(そんなものがプロと呼べるかは解らないけど)は、犯す対象に口は使わせないらしい。
剃刀の作業は終了した。これで散髪もひとまず終わり。後はシャンプーするならして、しないなら床に敷いた新聞紙の上で髪を払うだけ。
「どうします?」メイドさんはそういいながら、自分の前髪を切り始める。君も散髪終わったら、一緒にシャワー浴びない?
「まさか。」今日は少し暑くて、メイドさんの額には汗で、切ったばかりの髪屑が張り付いて、新しいアートの模様を僕に示してくれていた。
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5月5日(土)17:56 | トラックバック(0) | コメント(0) | シュールレアリズム | 管理
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置いてきた事。 |
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| 母は、半年に一度ハンドバックを新調し、三ヶ月に一度、トートバックを買い足した。
そんなに早いペースでは無いけれど、彼女の鞄は増えていく一方だ。
両親の夫婦仲は、そんなに良くも無いし、そんなに酷くも無かった。父親は仕事が忙しく、あまり家に寄り付かなか無いくせに、四人兄弟の末っ子だったから、甘えん坊で、年長の叔父や叔母などの親戚にの前では頭が上がらなかった。
で母親もそんな父親に少し愛想を尽かしていた。依頼心が強くて楽するために結婚をした母親にとって、結婚後に発覚した、そういった父の本性は契約違反もいいところだったのだろう。
まあ、ここまでの話だとまるで冷え切った夫婦に聞こえるかもしれないけど、家庭自体は時々波乱はあるけれど、だいだい通常通りの運行が繰り返されていた。
平坦な、冷えて落ち着いた日常が続いていくのだ。
僕はそんな家庭を将来作りたいとは全く思わなかった。
でも、最近淋しくて仕方ないのだ。高校生や大学生の時のような、孤独とは全く違う孤独。それが孤独といえるかどうかさえ解らない。体温が欠如してしまっているような感覚。少し怖くなる事もある。
個人差はあるかも知れないけど、ある程度の歳に成ると家庭を作りたくなるのは、こういう寂しさのせいなのだろう。
恋愛とは全く別の話だ。
だから、子供を作ることも、もしかしたら、そういったものとは全く別の問題で・・・性欲にろるセックスと生殖のためのセックスと愛情表現としてのセックスは、もしかしたら、同じ性でも、全く別のもので、
「結婚相手とのセックスは、生殖のためだから、子供が出来た後は、セックスしなくなるって事?」じゃあ、僕らのようなメイドさんと主人の間の性は一体なんなのだろうか?
どちらにしろ、僕等が恋人同士になったり、家庭を作っつたりするのは考えづらい。でも、家庭ってなんだろう?
普通の夫婦が僕の両親のようなものなら、普通でない家庭の方が、いいのかもしれない。
大丈夫、僕は結構変わり者らしいから、普通の家庭はきっと作れないと思う。だから心配なんかしなくたっていいと思うのだ。
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5月4日(金)20:34 | トラックバック(0) | コメント(0) | シュールレアリズム | 管理
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そして僕らは手を繋ぐより他無かった。 |
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| 問題は、簡単だった。メイドさんは、女である事に縛られて、僕は男であることに縛られていた。
「何いってるの、私はそんなこと」そういう所が、女であることに縛られているんだよ。
時々メイドさんは、つまらない相談をする。本当につまらない相談だ。相談にもならないその相談で、彼女が僕に求めているのは、答えや意見ではなくてじゃなくて、もちろん相槌でもない。
只、単にメイドさんは、僕に同情してほしいだけ、僕の意見や気持ち、ひいては人格なんて彼女にはどうでもいいことなのだ・・・いや、むしろ彼女は僕の性格を知っている上で、それを押し殺す事を要求しているのだ。
女性は男ほど、もともと孤独ではないから、我々ほど孤独に慣れていないのだ。
理屈は解る。でも、納得できるはずは無い、僕は女で無いから、だから言い換えれば、ぼくは女でない事に縛られているのかもしれない。
でも、それはメイドさんも同じ、彼女は男で無い事に縛られているんだ。そして、縛られている者同士はどうしても自分の窮屈さを他人のせいにしてしまうのだ。
そういう時に僕はふと、二人とも、子供なら良かったと思うことがある。
子供は女でも男でもない、中性名詞だ。彼等は縛られずに自由だから、僕らのような面倒は起こさないし、その逆に、僕らが思いもしないような残酷な事だって出来てしまう。
メイドさんは、今日も泣いたりしなかった。そういうところは、女か男かなんて関係なくて、個人の問題なのだろう。
メイドさんは、冷蔵庫からビールを出した、僕らはそれを二人で飲んだ。二人で飲むと、一人分量が減って物足りないから、もう一本、そして続けて何本も飲んだ、
気分が良くなった僕らは、缶ビールをクーラーボックスに詰め込んで、夕日色の河川敷を眺めに行った。
日は直ぐに沈んで、ビールも直ぐ無くなった。ふらつく僕らは、一人で家に帰れそうも無い、だから手を繋いで、お互いに家まで相手を送ってやるしか他無かったのだ。
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5月2日(水)23:07 | トラックバック(0) | コメント(0) | シュールレアリズム | 管理
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理由 |
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| 今日はビールも飲まなかった事だし、子供の頃の話でもしていいだろうか?
「長いのやだな。」
まあ、少しだけだから・・・僕は子供の時から、時々嫌な不安に苛まれていたんだ。
なんと言えばいいか、良くわからないけど、急に怖くなる時があるんだ、自分が死んだら何処に行くのか、それ以前にアミノ酸とカルシウムで作られた自分にどうしてこういうよく解らない心みたいなものがあるのかとか、そういうことを考えている今の意識自体、単なる悪夢みたいなもので、本当には存在していないんじゃないかとか、そういうことを考えると、よく言う暗い底の無い穴を落下し続けているような気になってしまって、怖くて怖くて、気持ち悪くなっちゃって・・・大学で哲学をやったのもそういうのが関係しているんだと思う。
「はい、ビールのむ?」
ありがとう、よく冷えてるね、そうそう、僕みたいな人間は忘れやすいから、こうやって酒を飲めば、そういう陰鬱なものは吹き飛んでしまうんだ、きっとそうできない人たちは、哲学をやり続けていられるんだと思う・・・
「何、ニヒリストぶってるの、」とメイドさん、僕はそんなつもりじゃないと言いかけたけれど、その前にビールの二杯目を飲まずには居られない。
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5月1日(火)22:47 | トラックバック(0) | コメント(0) | シュールレアリズム | 管理
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